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産科麻酔科

産科麻酔科とは?

当麻酔科最大の他大学にない特徴は、産科麻酔科があることです。
産科麻酔科では、妊婦に対する麻酔と新生児の麻酔を主に担当しています。
総合周産期母子医療センターは全国一の規模を誇り、ハーバード大学の関連施設であるマサチューセッツ総合病院、Brigham and Women’s Hospitalや、トロント大学Mount Sinai Hospitalで産科麻酔フェローシップを修了したスタッフにより運営されています。全県下から集まる患者の多様性は欧米の大病院を凌ぎ、「川越周産期麻酔フェローシップ」を中心とした産科麻酔研修を他大学から広範に受け入れている。初期研修期間中に産科麻酔の研修もできます。

私たち産科麻酔科医は、総合周産期センターの中に常駐しており、24時間態勢で産科麻酔と新生児麻酔を行っています。帝王切開は母児の救命のために超緊急で行われることも稀ではなく、分娩フロアの一角に2つの帝王切開専用の手術室を確保し、麻酔科医が常にスタンバイしています。分娩フロアに麻酔科医が常駐していれば、経腟分娩後の出血や、硬膜外鎮痛による産痛緩和(硬膜外無痛分娩)のリクエストなど、急な事態に速やかに対応することが出来ます。

産科麻酔科スタッフ
産科麻酔科スタッフ一同

産科麻酔科は病院組織内で麻酔科と独立した診療科として認められています。このような体制で産科麻酔を提供している施設は、欧米の大規模病院では少なくありませんが、日本ではまだ数少ないのが現状です。そのような特徴があるため、様々な施設の麻酔科医が数ヶ月から数年の期間で産科麻酔研修に来ています。

埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科のミッション

1.日本における産科麻酔のトップランナーとして、母児の幸せのために、産科麻酔領域のあらゆる診療を常に最善を尽くして実践する。 2.総合周産期母子医療センターと母体救命コントロール事業のモデルとなり地域医療に貢献する。 3.川越周産期麻酔フェローシップにより、日本の産科麻酔の指導者を育てる 4.科学的にも臨床的にも意義のある研究を倫理的に遂行し、世界の産科麻酔を進歩させ未来の母児に貢献する。 5.国際交流と海外医療協力により、世界の仲間と楽しく活動する。

産科麻酔科の教育研修

埼玉医科大学総合医療センター麻酔科の最大の特徴である産科麻酔科は、特に医師の教育研修に力を入れています。
フェローシップの応募要項など、詳しくは右記よりご覧ください。

教育・研修について見る

産科麻酔科の診療

産科麻酔科診療内容は、産科麻酔から胎児麻酔・新生児麻酔まで、妊娠、胎児、新生児に関わる全般を行っています。妊娠前の不妊治療では、体外受精目的の採卵の麻酔を担当しています。その際には、女性に負担の少ない安全な麻酔が大前提ですが、妊娠率など不妊治療成績に悪影響を及ぼさない麻酔薬や方法を追求しています。妊娠中のさまざまな手術の麻酔では、妊娠初期には催奇形性薬物を回避することが大切ですし、妊娠中期では妊娠継続と子宮内環境の維持が目標となります。妊娠末期では、手術中に胎児の状態が悪化すれば帝王切開に速やかに移行できるように、胎児心拍数モニタリングを行いながらの麻酔となります。胎児治療においては、胎児が痛みを緩和しつつ治療を安全に行えるようにするため、胎児の麻酔を行っています。

産科麻酔科 出産時には、帝王切開の麻酔と硬膜外鎮痛による産痛緩和が主な仕事です。帝王切開は、緊急度も適応もさまざまであり、母児の状態と緊急性を的確に判断して最適な麻酔を行わなければなりません。最短の時間で児を娩出できるように、産科手術室では麻酔器も麻酔薬も常に準備してあります。

産痛緩和は、硬膜外麻酔を応用して行います。陣痛はいつ訪れるか分からないため、24時間いつでも硬膜外鎮痛による産痛緩和を実施できる体制をとっています。経腟分娩の場に麻酔科医がいれば、産後の不意な出血、羊水塞栓などの急変に迅速に対応できます。

産科麻酔科

他院での出産後に、出血や呼吸不全、ショックなどで搬送される患者さんの治療も重要です。当センターは埼玉県唯一の総合周産期母子医療センターであり、県の母体救命コントロール事業の中心施設です。

新生児の手術は、帝王切開で娩出した直後にとなりの手術室で行われるともあり、その間の麻酔を一貫して担当します。新生児手術はNICUで行われることもあり、新生児科医と日頃から共に働いている産科麻酔科医がコミュニケーションと取りながら担当しています。 麻酔科医の知識と技術を生かして、産科医や救命救急医・放射線科医と協力して治療に当たっています。


2015年の診療実績は、帝王切開術560件、硬膜外鎮痛による産痛緩和(硬膜外無痛分娩)80件、産褥麻酔管理35件、全身麻酔下採卵121件、妊娠中の手術89件、胎児治療・検査15件、新生児麻酔44件、産科麻酔外来199件でした。

スタッフ紹介

照井 克生 [てるい かつお] 教授

岩手県釜石市出身.
岩手県立盛岡第一高校、東京大学医学部卒(1988年)
1988年 帝京大学医学部附属市原病院麻酔科にて森田茂穂先生の指導を受ける。
1989年 米国・ハーバード大学へ臨床医学留学

Massachusetts General Hospital 麻酔科レジデント

Brigham and Women's Hospital 産科麻酔フェロー Dr. Sanjay Dattaに産科麻酔を学ぶ。

当院麻酔科では関連施設と連携して、麻酔科医になるためのトレーニングを幅広く存分に受けることができます。さらに専門を追及して産科麻酔を幅広く学びたい方には、川越周産期麻酔フェローシップがあります。スタッフとして産科麻酔に従事したい方は、産科麻酔科に所属して分娩フロアを主な仕事場にすることもできます。
麻酔科医としてお母さんと赤ちゃんのためになりたい方は、ぜひ一度見学にいらしてください。


照井先生はこんな人

全国の麻酔科医・産科医に知られる「産科麻酔のカリスマ」。
彼のもとで多くのドクターが産科麻酔の研修し、日本における産科麻酔の地位を築いた。
世界中の産科麻酔科医と交流があり、日本のみならず国際学会でも活躍している。
「自分が現役の間に、日本全国の帝王切開の麻酔を麻酔科医が担当できる体制をつくる」ことを目標に、学術活動だけで
なく社会活動にも邁進中。
小児麻酔を世界的権威 Dr. Coteの元で学んでおり、小児麻酔にも造詣が深い。

田中 基


田中 基 [たなか もとし] 講師 フェローシップ責任者

大阪府堺市出身.
愛光学園高校、滋賀医科大学医学部卒(1992年)
国立小児病院(当時)で小児麻酔研修中に産科麻酔に目覚める
1997年 照井医師の元で産科麻酔を学ぶため、兵庫県立こども病院へ
2003年 国立成育医療センター(当時)で産科麻酔を立ち上げる
2006年 カナダ・トロント大学へ臨床医学留学

Mount Sinai Hospital 産科麻酔臨床フェロー Dr. Jose Carvalhoに産科麻酔を学ぶ。

The Hospital for Sick Children (SickKids) 小児麻酔科臨床フェロー

The Hospital for Sick Children (SickKids) 小児麻酔科臨床講師

2010年 埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科講師
2012年 胎児脳に対する麻酔薬の研究をするため防衛医科大学校麻酔科へ赴任
2016年 埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科講師,フェローシップ責任者


田中先生はこんな人

日本における産科麻酔のリーダー的存在。
教育熱心でカナダでの臨床経験を伝えるために日夜奮闘中。
「出産」という感動的な場面に出会える仕事を生き甲斐としており、産科麻酔に対する情熱にあふれています。
2012年に発足した「産科麻酔に参加しよう」の発起人の一人で、科学的根拠に基づいた分かりやすい講演が大変好評。
超音波ガイド下硬膜外・脊髄くも膜下麻酔が得意で、僕も田中先生にいろいろとコツを教わりました。
もちろん小児麻酔のウデは超一流。

松田 祐典 


田村 和美 [たむら かずみ] 助教

千葉県流山市出身.
茗溪学園高校、埼玉医科大学医学部卒
当院周産期センター開設時からの熟練スタッフ
ご自身が帝王切開で、2人の男の子を当院で出産
現在は育児支援を活用しながらバリバリ働いています。


田村先生はこんな人

確実な麻酔診療には定評のある、素晴らしい産科麻酔科医。
さらに、ご自身の出産育児経験も加わりパワーアップして、妊産婦さんの良き相談相手に
なってくれています。
産科麻酔だけでなく麻酔全般に精通されており、頼りになります.

田中 基 


松田 祐典 [まつだ ゆうすけ] 助教

東京都杉並区出身.
成蹊学園高校、東京慈恵会医科大学医学部卒(2004年)
2004年 東京慈恵会医科大学附属病院 初期臨床研修後、同院の麻酔科へ入局する。
2009年 埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科で照井医師に産科麻酔を学ぶ。
さらに産科麻酔の知識を深めるため、2012年7月より産科麻酔科スタッフとして勤務。


松田先生はこんな人

産科麻酔科界のホープ。
産科麻酔に興味をもち、自ら照井先生の門をたたいた。
照井先生と田中先生に鍛えられ、今一番油が乗っています。
現在、田中基先生の後を追い、トロント大学での産科麻酔フェローシップに応募するため英語の特訓中。
小児麻酔は慈恵医大の上園晶一教授仕込みです。

田村 和美 


成田 優子 [なりた ゆうこ] 助教

東京都青梅市出身.
共立女子第二学園、埼玉医科大学医学部卒
埼玉医科大学総合医療センターで初期臨床研修をした後、入局。
当院周産期センターで、2人のお子さんを硬膜外鎮痛を使って出産。
現在は2人のお子さんを育てながら,臨床の要として奮闘中。


成田先生はこんな人

おっとりとした雰囲気に隠された、鋭い判断力を持つ産科麻酔科医。
照井先生と田村先生に鍛え上げられた「技」を持っています。
硬膜外無痛分娩の経験談をママパパクラス(両親学級)で伝え、いまでは多くの妊婦さんが硬膜外鎮痛を選択するようになりました。
ちなみにご主人は当院周産期センターの産婦人科医です。

松田 祐典 


大橋 夕樹 [おおはし ゆうき] 助教

東京都三鷹市出身
東京学芸大学附属高校、杏林大学医学部卒(2005年)
2005年 杏林大学医学部付属病院 初期臨床研修医
2007年 杏林大学医学部 麻酔科学教室 麻酔科
2008年 埼玉医科大学総合医療センター 麻酔科・産科麻酔科へ出向
2009年 杏林大学医学部 麻酔科学教室 麻酔科,杏林での産科麻酔の中心として活躍.
2014年7月より埼玉医科大学総合医療センター,産科麻酔科スタッフとして勤務


大橋先生はこんな人

キリッとした眼差しで全体を見渡し、迅速かつ的確に判断する産科麻酔科医。
後期研修で1年間当麻酔科を研修し、再び戻ってきました。心強い味方です。
一般麻酔にも精通しており、産科麻酔科でも力を発揮しています。

田村和美 


加藤 梓 [かとう あずさ] 助教

埼玉県寄居町出身
熊谷女子高等学校、浜松医科大学医学部卒(2005年)
2005年 浜松医科大学医学部附属病院 初期臨床研修医
2007年 浜松医科大学 麻酔蘇生科 後期研修医
2009年 東京歯科大学市川総合病院 麻酔科 後期研修医.
2010年 東京歯科大学市川総合病院 麻酔科 後期研修医.
2015年 地元埼玉に戻り,産科麻酔を学ぶため,埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科へ入局


加藤先生はこんな人

産科麻酔を勉強したい一心で,ご主人と共に埼玉医科大学総合医療センターへ来たママさん麻酔科医。
臨床のみならず,研究意欲も旺盛で何事にも常に全力投球の姿勢は見習うものがあります。
地元埼玉の周産期医療を憂いつつ,日本の将来へ自分が貢献できるものはないかと,日夜探し続けています。
自然経腟分娩と硬膜外無痛分娩,両方の経験者として患者さんからも信頼されています。

松田 祐典